2016年11月09日

その他

ブシロードクリエイティブ第2回コラム『住職がフィギュアを作る会社』

こんにちは。吸盤メーカーの代表をつとめております成田です。

おかげさまで当社のオリジナル商品「ラバQ」が話題となっております。

「吸って吸って吸い尽くすぜ」が社訓となっている当社ですが、今後も吸盤への探究心を失うことなく、日々精進してまいります。

 

ですが昨今は景気の関係もあり、吸盤ばかり作っているわけにはいかないため、

当社も違う事業へ進出いたします。

 

フィギュアです。

 

フィギュアといっても様々ありますが、私たちはコレクション性の高い小さなフィギュアを多く制作しています。

カプセルトイ向け、物販商品向けなど販売形態は様々ですが、その全てを足しあげると、年間予測で●●●万個以上を制作する予定です。

おそらく吸盤メーカーとしては業界最大のフィギュア製造数かなと思います。

 

通常、フィギュアは凄まじくざっくり言うと、

企画→原型制作→彩色→量産

の工程に分かれて進行しています。

 

当社のフィギュアの原型は3Dモデルで制作することが多く、3Dプリンターで出力し、それに手を加えて原型にします。

 

そのすべてを担っているのが、当社が誇るハイパーフィギュアクリエイター、

別名「つぶらな瞳のおまんじゅう」こと、TETSUYAです。TSUTAYAではありません。


 

彼が内製or外注ディレクションを駆使しながら、多くの原型が制作されます。

その後の彩色も彼の手により成し得ています。

社内で右手に筆を握りしめて、左手におにぎりを持って仙人のように作業を行います。

鋭くも優しい奥二重をチラつかせながら、私たち企画サイドからの要求に応えていく様は、まさに仏様のようです。

 

そんな彼は最近自宅でバリカン失敗により坊主となってしまった悲しみを乗り越え、迫り来る年末進行と量産拠点の旧正月問題と向き合っております。

最新のあだ名は「住職」です。

 

我々の意思は、こうです。

 

少しでもクオリティを上げたい。

低価格だとしても妥協したくない。

 

特にカプセルトイ商品は200〜300円の価格設定が一般的で、この条件下で作るとなると、クオリティ面であらゆることを諦めなければ成し得ません。

 

それでも私と住職は、この会社に合流するときに誓い合いました。

 

「新参メーカーだから、クオリティ面だけは限界まで戦おう」

 

あと、

「毎日100円積み立てて、いつか香川にうどん食べに行こう」

 

と。

 

 

この一見美しき宣言は、現場を相当なレベルで炎上させることになり、「このレベルでOKだろ」と正直思うことも多いですが、「いや、これなら他メーカーと一緒だ。もう一歩上に行こう」と言い聞かせています。辛いです(笑)

 

ですが、必ずこの苦労が手に取っていただいた方の楽しみにつながると思っております。

私もあらゆるアナログ玩具(主にカプセルトイ)のコレクターとして、作り手の魂を感じることは多々あります。逆にまったく感じないものもあります。

 

ヒットすることも当然大事ですが、買っていただいたお客様に「何も伝わらない」ことだけはしたくないと常日頃思っております。

それはただただ産業廃棄物を粛々と作っているだけです。

 

想いは伝わると信じて、今日も住職に手を合わせて未来への幸せをお祈りしています。
今後の続々と発表される新企画をぜひご期待くださいませ。

 

近日中にカプセルトイの2月商品、

渡辺直美 コレクションフィギュアの全貌をお伝えします!